学びのすゝめ
筆者:岩田屋本店 本館7階 学 IWATAYA担当 堤田
―はじめに
日々の暮らしの中にお花を飾ってみる——。
私はちょっとだけ贅沢な気分になれる気がします。
好きな器に好きなお花を飾ることで、見ているだけで少しだけ気分が良くなったり、
お花のお世話をすることで丁寧な暮らしができているように感じます。
お花を飾る文化は、華道の「池坊」が発祥と言われます。
「池坊」と聞くと伝統文化ということで、初めて華道にチャレンジしてみたいという方には少し敷居が高いイメージがあるかもしれません。
今回は実際に学 IWATAYAの「華道・池坊」の講座に潜入して、教室の雰囲気を覗いてみたいと思います。
―講師紹介
華道家元池坊華道教授
佐藤 華春
日程:第1・3(金)16:00~18:00
受講料:25,080円(3カ月・6回)
―いけばなの根源 「池坊」
ご存じの方も多いと思いますが、まずは「池坊」について簡単にご紹介します。
池坊とは日本の華道を確立した、いけばなの根源と言われており、
華道そのものを表す流派であるため、”流”や”派”をつけずに呼ばれています。
遡ると、飛鳥時代の587年に聖徳太子が建立した「六角堂」に遣隋使を務めた小野妹子が出家し、花を立てるようになったことが仏前供花の始まりとされ、それがいけばなのルーツとなっており、池坊では初代住職の小野妹子が道祖であるとされています。
池坊には受け継がれてきた、花型というスタイルがあり、「立花」・「生花」・「自由花」という3つの型があります。
「立花」とは、室町時代から続く最も歴史のあるスタイルで、水際から垂直に立ち上がる凛とした姿が特徴です。アシメントリーで構成される不均衡の美しさがあります。
「生花」は、数少ない種類で草木の持つ個性や特徴を生かし、命のきらめきや生き生きとした姿を表現します。使用できる花材は3種類までと決まっており、最もシンプルな構成になっています。
最後に「自由花」は形や生け方に決まり事がなく、作者の想いを自由に表現します。花の種類や本数が自由で、植物以外の素材も取り合わせしたりします。
―岩田屋で学ぶ「華道・池坊」
学 IWATAYAの講座では、初心者の方はまず「自由花」から始め、慣れてきたら「生花」を習うというスタイルです。現在は生花が2名、自由花が1名で講座を進めており、先生が準備する季節やテーマに沿ったお花を生けていきます。
今回のお花、生花はボケという枝のお花の1種生、自由花は4種類のお花を使って生けていきます。
そして必要な道具。
初心者の方はこちらの ①花ばさみ ②剣山 ③花器の3つの道具があれば、生け花を楽しむことができます。
①
②
③
講座が始まると、受講生の皆さまは黙々と手を進めていきます。
こちらは生花をされている受講生さま
慣れた手つきで生けていますが、枝を切ったり、剣山に枝を差したりすることは、結構力が必要な作業です。
こちらの受講生さまは今回が初めての授業ということで先生の見本を参考にしながら、自由花を生けていきます。
佐藤先生の授業では、基本的に受講生がお花と向き合う時間を作り、個人の感性でお花を生ける時間を大切にしています。
立ち止まったときや、最後の仕上げの時に佐藤先生が手を加えていきます。
受講生皆さまの完成した素敵な作品も撮影させていただきました。
生花は大地に根をつけ、やがて大きく育って花咲く草木の姿を一瓶に表します。
今回はボケで1種生のため、枝やお花の向きのバランスをいかに美しく見せるかが難しいですが、お2人ともの個性が生かされた素敵な作品です。
また、自由花は決まった型が無いため、自分の感性が試される難しさがありますが、初めて華道を習った方とは思えないと佐藤先生も仰っていました。
受講生の皆さまは毎回作品を写真に撮り、お花を持ち帰ってご自宅でもお花を生けて飾ることを楽しみにされています。
―最後に
華道を習うきっかけは人それぞれですが、やはり皆さま共通して”お花が好き”という事を仰っていました。
好きなお花と向き合う時間を過ごす。
とても素敵な習い事だと思います。
お花が好きという方は、ぜひ学 IWATAYAの「華道・池坊」教室で学んでみてはいかがですか?
次回は「竹村きみえ先生」の「褒められ文字講座」に潜入してみたいと思います。お楽しみに。
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