学びのすゝめ
筆者:岩田屋本店 本館7階 学 IWATAYA担当 堤田
―はじめに
新年度を迎え、慌ただしい時間を過ごしている方も多いのではないでしょうか?
そんな時だからこそ、自宅で趣味や好きなことに没頭したり、心の奥の声と向き合ったり。「自分のための時間」をしっかりとつくり、楽しむことは必要ですよね。
ハーダンガー刺繍の講師を務める川上祐子先生は、学 IWATAYAで講師として教えている時間とは別に、ほぼ毎日自宅でも作品を編み、長い時は10時間以上も趣味としてハーダンガー刺繍を楽しんでいるそうです。
今回のコラムでは川上先生がそこまで没頭する「ハーダンガー刺繍」とはどんなものなのか、魅力はどこにあるのかを伺ってみたいと思います。
―講師紹介
日本手工芸指導協会
ハーダンガー刺繍講師
川上 祐子
日程:第1(木)10:30~12:30
第1(金)10:30~12:30
受講料:12,540円(3カ月・3回)
―ノルウェーから伝わった「ハーダンガー刺繍」
北欧の国ノルウェーのハダンゲル地方が発祥のハーダンガー刺繍。
この「ハーダンガー」という名称は「ハダンゲル」をもじって伝わってきたと言われています。※諸説あり。
テキスタイルに興味がある方はご存じかもしれませんが、あまり日本ではなじみのない「ハーダンガー刺繍」。しかし世界的にみると有名な民族刺繍で、各地で開催されている蚤の市やヴィンテージショップでは高値で販売されていることもあるそうです。
ハーダンガー刺繍は透かし模様が特徴で、繊細で緻密な幾何学模様を表現しています。
一般的には、テーブルクロスやコースター、ドイリーとして用いられていることが多いです。
―美しい「透かし模様」
ハーダンガー刺繍は布地の目数を数えながら糸を刺していくので、よこ糸とたて糸が均等に織られた平織りの布を使用します。
拡大すると分かるのですが、この細かい目数を数えながら針を刺していき、1箇所でもずれてしまうときれいな幾何学模様にならないので、とても繊細な作業になります。
学生時代の家庭科の授業以来、裁縫道具を触っていない私には、果てしない作業に感じました…(笑)
そして、ハーダンガー刺繍の特徴である「透かし」の部分。
通常のレース刺繍などは、糸を紡いで編んでいきますが、ハーダンガー刺繍は、平織の布を1本ずつ切っていく「カッティング」で穴をあけていくことで、透かし模様を作っていきます。
布に糸を縫い、カッティングをする工程を繰り返しながら、きれいな幾何学模様へと仕上げていきます。
―日常にハーダンガー刺繍を
ハーダンガー刺繍は冒頭でお伝えしたように、テーブルクロスやドイリーなど、限られた場面でのみ使用することが多いですが、川上先生は日常にハーダンガー刺繍を取り入れて、楽しんでいるそう。
このようにランプやバッグに刺繍をしてみたり、クリスマスの時期にはオーナメントを作ったりなど遊び心も加わっています。
日常の中に自分でつくったものや好きなものを取り入れていくことで、日々の暮らしが楽しくなるような気がしますね。
―最後に
川上先生とお話しする中で作品作りは、次はこうしよう、もう少しこうすればよかったなど終わりがないことがとても楽しいと笑顔でお話されていました。
また、ハーダンガー刺繍は九州では学ぶことができる場所が少なく、これからハーダンガー刺繍をもっと広めていきたいと力強く仰られていたのが印象的で、このように何かに没頭できる趣味があることはとても素敵だなと実感させられた時間でした。
このコラムを読んで少しでも気になった方は、学 IWATAYAまでお越しいただけると嬉しいです。
■講座の情報
次回は荒木統子先生の「全身をほぐしながら鍛える『ヤムナ®&ピラティス』の講座に潜入したいと思います。お楽しみに。
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