ランジェリーの扉
皆さまは『ランジェリー』と聞いて、どんなアイテムを思いつきますか?
ブラジャーやショーツ、装飾性のあるコルセットやガーターベルト...
デザインに特徴のあるものなどが思いついたりしませんか?
このようなブラジャーをはじめとした『インナー』は一般的には『ランジェリー』とされていますが、
ランジェリー業界では、ブラジャーはシルエットを整えるもの=『ファンデーション』と分類されています。
そして『ランジェリー』はファンデーションの上に重ねるものを指します。
例えばキャミソールやスリップ、ペチコートなど...
実は、私は現担当になるまでこのことを知りませんでした。
店頭でスタイリストが言う「ランジェリー」という言葉に「??」となることも。
そういうことか!と知った後は、なんだか『ランジェリー』というものへの特別な思いが出てきました。
今回はこの美しさや機能性を兼ね備えた、『ランジェリー』にクローズアップしてお話ししたいと思います。
お気に入りのファッションを楽しむとき...
ファッションを美しく・快適に着るためにはスリップやキャミソールがおすすめです。
ウェアへの汗移りを防いでくれたり、ウェアの素材が直に肌に当たって、チクチクするのを防いでくれたり。
一枚着ることで、ブラジャーのデザインがお洋服に響かないようにしてくれたり、
ボディラインをストンと凹凸少なくきれいなシルエットにしてくれます。
もちろん袖付きのインナーやタンクトップでも機能的には問題ありませんが、
ワンピースやスカートの時はスリップを着ることによりウエストがもたつかず、1枚で全体のシルエットがスッキリとします。
ボトムも思いのほか汗ばむところ。
スリップや、ペチコートを着ることで汗が響くのも防いでくれますよ。
また、ワイドパンツの素材のまとわりつきや、スカートの足さばき・・・
ペチコートを履くことで歩く姿もスマートに、美しく!
ペチコートはスカートのタイプが多いですが、パンツタイプのショート丈やロング丈なども。
ボトムのレングスに合わせて選んで。
スリップやキャミソールというと、何となくつるつるした素材が思いつきませんか?
重ねるお洋服のシルエットをきれいに見せるために、という目的があるので、滑らかな素材のものが確かに多いです。
ただし一言につるつる、といっても実は素材はさまざまなんです。
代表的なものは、ポリエステルやポリウレタンなどの化学繊維製のもの。
ストンと落ちる素材感で、洋服の滑りを良くしてくれます。
美しさの代表、シルクのランジェリーは、その独特のつややかさが魅力。
素材をバイアス(斜め)に取っているデザインは実際に着た時の、
身体のラインへの添い方、カーブしたボディラインに添ったときにできる光沢の印影がとにかく美しいです。
シルクは夏は涼しく、冬はふんわりと温かい。
吸放湿・保温するので、一年を通しておすすめです。
意外と知られていないのが、綿素材のスリップ。
実際デザインは多くはありませんが、化学繊維の肌触りやひんやり感が苦手な方に、特に夏場の汗が気になる時にもおすすめ。
その他にも機能性素材を使用したものもあります。
再生繊維「ベンベルグ」を使用したものは、汗によるべたつきを防いでくれる吸放湿性があり、さらりとした着心地で快適。
静電気も和らげてくれるので、一年を通して着用できます。
さまざまな素材を、過ごす時間やお洋服に合わせて選んでみませんか?
「響かない」が目的でもあることから、シンプルなものを選ぶことが多いのでは。
さまざまなデザインがありますが、華やかなレースのものを何となく敬遠している方もいらっしゃるかと思います。
そんな方にもインナーとして以外でぜひランジェリーを活用してほしいと思います。
デザインや素材によっては、ジャケットなどのアウターの中にインしてアクセントにも。
ストラップに特徴があるデザインは、今年多いデコルテ見せシルエットのニットやカットソーから「ちら見せ」して楽しむのも。
カラーバリエーションも豊富。TPOに合わせて、気分を後押ししてくれるパワーカラーを選んで!
いろいろなランジェリーのおすすめをお伝えしてきましたが、これが今回一番お伝えしたかったこと。
自分の気分を上げる、素敵なブラジャーを身に着けたとき・・・
せっかくだったら、その美しさをさらに楽しむために身に着けてほしいのが「ランジェリー」。
ブラジャーとのコーディネートデザインのものにぜひチャレンジしていただきたいです!
キャミソールやスリップをよく見てみると、カッティングに気付きます。
重ねて着用したときに、シルエットを美しく保つように作られています。
美しく整えたバストをつぶさないように、美しく見せる。
お揃いのレースが重なることで、お気に入りのブラジャーのディテイルを隠さずに楽しめる。
その相乗効果による美しさを、ご自身の身に纏う高揚感を、ぜひ味わってほしいと思います。
実際に私もランジェリーまでのコーディネートに行き着くまでには時間がかかりました。
その華やかさを着こなす自信がなかったのもあります。
でもある時、思い切ってお揃いのレースのキャミソールを手に取って、試着してみると...
なんとも言えない満足感。
お気に入りのブラジャーにキャミソールのレースが重なり合って、美しさの相乗効果が目の前に広がるんです。
繊細なレースなので、重なり合っても軽やかさはそのままに、美しさが増えるばかり。
着こなす自信など気にせずに、「あぁ、ランジェリーのパワーをもらえるのはこういうことなんだな」と感じて、
そのセットに決めました。
仕事で気合を入れたい時、お出かけで女性らしい気分を味わいたい時、そんなときに身に着けて、気分を上げています。
私の初めてのランジェリーって何だっただろう、と思い返すと、
20歳になった時に母から贈られたのが初めてだったな、と記憶がよみがえりました 。
薄くてコンパクトな箱を開けると、控えめなレースが施されたキャミソールとタップパンツのセット。
色はフレッシュさを感じる、まぶしいようなきれいなホワイトでした。
箱から出す時に緊張したのを覚えています。
女性としての一歩を踏み出したような、何となくこそばゆい気持ち。
黙ってしばらく眺めていました。
大切な方の新たな門出や新生活などのタイミングに、応援したい気持ちをこういった形で贈るのもいいのでは、と感じています。
次回は、ランジェリーならではの楽しみの一つ、ディテールの楽しみ方についてお話ししたいと思います。
筆者:ランジェリークローゼット バイヤー 大門 & アシスタントバイヤー澤田
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