岩田屋本店でも多くのファンのお客さまにご好評いただいている「水金地火木土天冥海」。
日本と、太古から繋がる東洋の国々の器用で一途な気質だからこそ感じられる美しい瞬間や質感、その手が生み出す手仕事の細工。忘れかけている私たちの民族性を映し出すような品々をご紹介しています。
その中でも今回は、バイヤーの土村 真美氏が自らデザインを手がける「Jaipur Jewelry by Masami」との出会いやルーツに関してお伺いしました。
私がバックパックを背負って旅行していた15年前の事。水金地火木土天冥海のバイヤーとして「東洋の手仕事」のルーツを追い求めて行き着いた地、それがインドのジャイプールシティでした。
赤土の埃とクラクションの喧騒、客引きのわめき声に圧倒されながらも、ローカルマーケットを端から端まで夢中で覗いて回った事を覚えています。
写真 ジャイプールのマーケット
今では物の真贋を見分ける目も利いて来ましたが、当時の私には日用品から祭事用の装飾品まで見る物すべてが異国情緒に溢れ、なんとも魅惑的に映りました。
そして何よりも私の心を奪ったのは、インドの女性たちが身に纏う極彩色のサリーや幾重にも飾られたジュエリーの美しさでした。
写真 ジャイプールのマーケット
それまでの私にとって指輪やピアスをつけるという行為は、単にファッションの一環でした。しかし、インドの女性たちにとってのジュエリーは、もっともっと生活そのものに根差した、まるで彼女たち自身の一部のような、そんな普遍的で意味ぶかい存在に見えたのです。信仰心を表す御守りのようでもあり、大切な財産であり、脈々と続く民族性を示すアンデンティティーである、そんなジュエリー。
写真 Jaipur Jewelry by Masamiの刻み細工
なんて格好良いんだろう!と思いました。東京のデパートで見るガラスケースの中の宝飾品には腰が引けてしまう私でも、土埃の中できらきらするインドの装飾品なら身につけてみたい。これがJaipur Jewelryのインスピレーションが湧き上がった瞬間です。
写真 Jaipur Jewelry by Masami 刻みピアス
しかし、私のように小柄で肌の白い日本人が、迫力たっぷりのインドジュエリーをそのままつけてみても、やはりちぐはぐになってしまいます。
写真 Jaipur Madameのバングル
「さり気なさ」や「慎ましさ」、そんな日本人ならではの美意識を通して、すっきりと端正に、でも贅沢に。そんな自分なりのエッセンスを落とし込んで生まれたのがJaipur Jewelry by Masamiなのです。
写真 ホーリーイヤカフ、マハラジャイヤカフ(ルビー,エメラルド,ブルーサファイア)
インドで好まれる純度の高いゴールドと、自らの目で選りすぐったルビーやエメラルド。
そんな素材と小さな手帳に描きこんだ私のスケッチが、職人のささくれた指先で本物のリングやピアスになっていきます。今の日本では希少になった手仕事の生業は、インドではまだまだ王道なのです。
肌のうえに金や宝石をつけることは、なんと原始的な悦びでしょう。
受け継がれて来た東洋の意匠を身に纏う事は、なんと誇らしい感覚でしょう。
ジャイプールの地に足を踏み入れなければ知ることのできなかった価値観です。
写真 ボヘミアンマハラジャリング
そんなプリミティブなジュエリーを、もっと多くの女性に愉しんでほしいと思います。
そして、そのジュエリーがもたらす小さな自信や勇気が、あなたを内側から輝かせてくれることを願って、Jaipur Jewelry by Masamiをお届けします。
写真 7カラーリング
Jaipur Jewelry by Masamiデザイナー 土村真美
PROFILE
<水金地火木土天冥海>
日本と、太古から繋がる東洋の国々の器用で一途な気質だからこそ感じられる美しい瞬間や質感、その手が生み出す手仕事の細工。忘れかけている私たちの民族性を映し出すような品々を紹介している土村 真美氏が手掛けるブランド。
インドの職人によるハンドワークが生きる珠玉の“Jaipure Jewelry by Masami (ジャイプールジュエリーバイマサミ)” や、ネパール王室御用達の職人の血を引くインドラ氏が手がけるエキゾチックな“Indra Man Sunuwar(インドラ・マン・スヌワール)”のジュエリーなど、他とは一線を画したハンドワークの美しい逸品が揃う。
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