美術
俳人・松尾芭蕉は「古人の跡を求めず、古人の求めたところを求めよと、南山大師(空海)の筆の道にも見えたり。風雅もまたこれに同じ」と『許六離別詞』に書いているが、これは学ぶべきは外形的なものではなく精神的なもの、すなわち本質であるという意味であろう。
岡本さんの作陶姿勢も同じで、古典に学びながらも精神は至って自由で、常に唐津のあるべき姿(本質)を求めて止まない。
日本で古くから磁器が焼かれた窯のひとつ有田天狗谷の物原からは、白磁、染付、唐津焼に混じって青瓷の陶片も出て来る。
高麗青瓷を思わせる繊細優美な色と形で、岡本さんはその透き通った翆色が忘れられないという。
古の陶工たちに思いを馳せ、素地に朝鮮カオリンを用い、絵唐津の釉薬を掛けて生まれたのが翆青唐津である。
先日、岡本さんの個展に出掛けたら若い料理人たちで溢れていた。
従来の唐津焼だけでなく、翆青唐津の器が料理を盛り立てて呉れるからであろう。
森孝一
(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)
本展では、その美しく透き通った緑色を再現し、翆青唐津と命名した茶碗や、壺、花入れなどを一堂に展示販売いたします。
岡本作礼さんの新たな唐津の世界観をお楽しみください。
【トップ画像】『翆青唐津茶碗』
『黒織部唐津円相茶碗』
12.4×12.0×8.8cm
『唐津釣窯耳付花入』
『唐津焼〆叩き耳付壺』
35.4×32.8cm
『黒織部唐津蓮子文四方足付き大鉢』
【 陶歴 】
1958 佐賀県唐津市に生まれる。
1978 陶芸家・中里重利氏に師事。(11年)
1989 作礼山山麓(厳木町)に工房設立
1999 能登島ガラス工房にて、パート・ド・ベールを習得
2003 現代日本の陶芸・受容と発言(東京都庭園美術館)
2008 野村美術館 個展(京都)
2014 日韓交流展(釜山・韓国)
2015 日・韓・中 作陶展出品
2017 銀座LIXILギャラリー「祈りの系譜」展
2022 表千家佐賀支部50周年
表千家 佐賀青年部35周年、記念品制作
2023 韓国、公州(鶏龍山)にて作陶
2025 中国、越窯跡(秘色青瓷)調査
年四回の個展を中心に作品を発表し続ける
佐賀県陶芸協会理事
※実際の作品と色味が多少異なる場合がございます。予めご了承ください。
※作品に関するお問い合わせは 福岡三越4階 岩田屋三越美術画廊 092-726-7789(直通)まで。
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