ピースdeミライ 岩田屋三越ミライアワード
ファッションを通じて新しい未来を示唆していくプロジェクト「ピース de ミライ」。
今回は三度目となるリーバイス®のユーズドストックをはじめ、マリアケント社のサンプル生地や尾州産地素材の残反をアップサイクルする取り組みに加え、ヤマサワデニムや合成皮革(アップルレザー)などのリサイクル素材を使った取り組みも新たに実施。
本企画では、企業だけでなく、次世代を担うファッション専門学校の学生とも協業。「ピース de ミライ」の生地を使って作品づくりに取り組んでいただきました。
◼️岩田屋三越の想いを学生さんへ◼️
企業の枠を越えてファッションの未来に向き合う「ピース de ミライ」の取り組みのなかで大切にしているのが、これからのファッションを担う若い世代にも参画を呼びかけること。担当バイヤーが専門学校を訪れ、岩田屋三越の考えるサステナビリティについて、また、ファッション業界が直面している在庫や廃棄の問題についてお話しし、「ピース de ミライ」で目指すミライに共感していただける学生さんの参加を募りました。
■香蘭ファッションデザイン専門学校■
香蘭ファッションデザイン専門学校は、福岡でファッションのプロを育成する専門学校として2025年で90周年を迎えます。「技術教育と人間教育」を教育理念にファッション業界で活躍する人材を育成しています。
環境問題やSDGsに対するさまざまな取り組みも行っており、今回作品制作を通して循環型のファッションを考えるきっかけにしてほしいという想いでご参加いただきました。
=お話をうかがったのはこちらの4名=
左から:浅田 杏莉さん・藤澤 廣和さん・山根 緋奈さん・松尾 珠里さん
(4人とも香蘭ファッションデザイン専門学校ファッションデザイン科2年生)
Vol.1では、山根 緋奈さん、藤澤 廣和さんからお伺いしたお話しをお送りいたします。
ー今回の取り組みに当たって、まず、皆さんで共通テーマを話し合い、ブランドコンセプトやブランドキャラクターを作ったとお伺いしました。
山根さん:はい。ピース de ミライの取り組みに対する、それぞれの思いをディスカッションするなかで、ひとりの学生が「未来は現在があるからできるもので、現在は過去があるから…」その言葉がヒントとなり、過去のファッションや、カルチャーのリサーチを年代ごとに行いました。
その中で「ミライのファッションとは何だろう?」のそれぞれの私たちなりの考えを共通テーマに、ブランドの名前とブランドキャラクターを考えました。
山根さん:学校内で学生が育てた、教室にある実際の綿を見て、ふと鳥に見えるなと思い、平和の象徴である鳥と掛け合わせてみました。そして、コットンとトリで「コットリ」という名前になりました。ブランド名やキャラクターを作ったのは初めてでしたが、元々絵を描くのは好きでした。
ブランド名とキャラクターが決まった後、コットリのプロフィールや性格まで、プロジェクトのメンバー皆で話し合って決めました。
ー制作している作品のテーマや力を入れているアイテムについて教えてください。
山根さん:プロジェクトメンバーの3人の合作制作をしており、私はデザインを中心に製作に携わっています。
ピースdeミライの「ピース」は平和だと思ったので、世界が平和になるようにという思いを込めた作品制作に取り組んでいます。世界各国の国花と平和のメッセージを四角のデニムに刺繍として落とし込んで繋げ、生地を作っています。
さらに、世界地図の形に見えるように組み合わせたりなど、手探りですが試行錯誤しています。
藤澤さん:作品制作の共通テーマとして、「未来」がテーマにあったので、過去から、今から、と繋がるイメージを思い描いています。着物のスタイルに幾何学でモダンなスタイル、変則的な要素を取り入れることで、過去と現在の時間の繋がりをつくりたいと考えています。
特に力を入れているのはトップスです。着物モチーフの変則的なデザインで、ジャケットのようなアイテムを制作中です。ジャケット制作の中で、特にこだわっていることは、1つの要素に固まらないようにバランスをとることです。三角形を重ねた幾何学のような柄にするため、丁寧に裁断をしています。
ー今回の取り組みに参加して気づいたことや、今後に活かしたいことはありますか。
山根さん:基本的に1人で制作することが多く、複数人での取り組みは初めてでした。自分ひとりだけでは調べきれない、思いつかないことが沢山あるな、と改めて気づきました。そして、全員で色んなアイデアを出し合うことでさらに作品制作深まると感じました。今後は、自分のアイデアで今回選ばれなかったアイデアやデザインを試してみたい!という想いも強まりました。
普段からサステナビリティな取り組みは洋服を作る中で、洋服の芯を取っておいて使ったり、仮パターンの白い生地を掃除で使ったり、など工夫をしていました。今後もこのような取り組みを続けたいなと思いました。
藤澤さん:チーム体制で連携して考えたり分担することが想像以上に大変でした。自分が取り組んでいることに集中してしまうので、他メンバーが行っていることをなかなか把握しきれず、コミュニケーションをとらないといけない大変さがあるなと思いました。
サステナビリティな取り組みについては、古着のリメイクに興味があったし、実際やってみたこともあるので、意識はしていると思います。でもあえて意識をしているわけではなく自然に。古いもののアジが合わさっているところがいいと思うし、汚れてたり、ズタズタになっているものに面白さを感じます。
今後チャレンジしてみたいことは、古着だけで面白みのあるけど着やすいバランスのいい服を作ることです。街中で着て歩いていて溶け込むけれども、個性際立つような、そんな作品づくりをしていきたいです。
=完成した作品はこちら=
山根緋奈さん はじめ 古川朝彩さん、野口雪愛さんの作品
テーマ:HASHIGO
藤澤廣和さんの作品(デザイン監修)
テーマ:NORAGI
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