アートギャラリー
Gallery CONTAINERでは、繰り返し描かれる画題を再考する、小津航による個展を開催します。
描きかけのキャンバスの先にモチーフのリンゴが転がっている。リンゴの色味や形などの雰囲気をキャンバスの中に留めるように描く。目の前のモノや頭の中のイメージをこの世の中のどこかに擦り付ける行為は絵画という言葉が生まれる前から脈々と当然に行われていたことだろう。しかし、ただの絵具とリンゴというモチーフがキャンバスを境に交換する作業は、よく考えると奇妙なものでそんな奇天烈なことを人類はずいぶんと長い間続けているようだ。キャンバスの中のリンゴも、やはり目の前のリンゴは似ているようでまったく違うモノだ。そう考えると、目の前のモチーフの大切な何かさえ残して描けばあとはいくらでも自由に描ける気になる。古今東西のさまざまな時代の偉大な先人たちによって、まったく描き尽くされたモチーフたちにもまだ新しく描き残す余地がどこか残っているのだと隙間に差し込むようにキャンバスへあの手この手で絵具を擦り付ける。今回の展示では、美術史で頻繁に描かれており、自分自身近年集中して制作をしているリンゴの静物画を中心に据え、2020年から新作までを発表します。
小津 航
Five Apples on the Ground
2024
56.6×49.1×48.0cm
oil on canvas / wooden frame
Still life with Silverware and Lobster
2024
76.3×64.2×48.0cm
oil on canvas / wooden frame
Drive Night
2024
49.1×41.6×48.0cm
oil on canvas / wooden frame
Face -Hair Dye-
2023
49.1×41.6×48.0cm
oil on canvas / wooden frame
Water Iris・Knife・Pot
2021
120.3×83.9×48.0cm
oil on canvas / wooden frame
撮影:西中 拓史
小津 航|Wataru OZU
1991 東京都生まれ
2017 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻卒業
2015 London/Tokyo Exchange program 2015[ロンドン滞在制作]
(遊工房 / セントラルセントマーチン大学 / 東京藝術大学 提携プログラム)
2015 独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度[ニューヨーク滞在]
2014 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
東洋美術の山水画、浮世絵、洋風画や西洋美術の空間やモチーフなど過去の美術作品を参照しながら油彩画を制作している。昨今は「静物画」「風景画」「人物画」という絵画の基本の主題を通じながら、東洋的絵画空間にみられる(画家とモチーフとの関係性)や(絵画空間の設定)といった関係に注目をして東洋美術を再考するような制作を行なっている。
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