社 名 | 株式会社岩田屋三越 Iwataya Mitsukoshi Ltd. (2010年10月1日 株式会社岩田屋から商号変更) |
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会社設立 | 1935年5月8日 |
事業内容 | 百貨店業 |
代表者 | 代表取締役社長執行役員 左中 樹太郎(さなか みきたろう) |
資本金 | 1億円 |
所在地 | 〒810-8680 福岡市中央区天神二丁目5番35号 |
電話番号 | 092(721)1111(大代表) |
親会社 | 株式会社 三越伊勢丹ホールディングス |
岩田屋中牟田家の父・祖河野小右衛門が福岡大工町で売薬商を始める
2代河野小右衛門こと旧姓中牟田藤吉は屋号畳屋を紅屋に改め、呉服商に転業した
その10年後に屋号紅屋を岩田屋へ改称、河野姓を改め中牟田姓に復する
家督を継いだ2代目中牟田喜兵衛は呉服業から百貨店への転身を図り、まず大衆向けの日用品を取り扱う「岩田屋マート」を実験的に開店した
しかし狭い面積のため魅力ある商品を取りそろえることができず、失敗におわる
これにより喜兵衛はますます百貨店創業への思いを強くする
設立にあたり、福岡市にはすでに3つの百貨店があったことから反対されることが多かったが、呉服だけでは存続できないことは明白であり、天神町に将来性を見出した中牟田喜兵衛はターミナルデパートとして開店させることを決意した
当時福岡市で一番高い建物が岩田屋であり、開店前には梨本宮殿下がご台臨、屋上より防空演習をご統監された
また当時としては全国的にも珍しい冷暖房装置を備えていた
開店の翌月に冠婚葬祭への慶弔金贈与、趣味会や体育会など、従業員の福利厚生を目的として設立された
県展とは日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真、デザインの部門からなる公募展であり、福岡県民の活動発表の場として2022年現在も続いている
岩田屋では県展の発足にあたり、6階の一部を仮設美術館として提供し、福岡における美術の発展に寄与した
交信会は岩田屋で勤務していた従業員からなるOB/OG団体であり、2022年現在も「岩田屋三越交信会」として活動が続いている
エクスポートバザーの設置はGHQから「福岡市を代表する百貨店」であると認められたことを意味し、また多大な利益をもたらしたことで岩田屋の再建に貢献した
従業員は無料で受診でき、また当時としては珍しいレントゲンを撮る機械もあった
同年 10月友の会第1回招待観劇会(宝塚歌劇団雪組公演)を開催した
全岩田屋労働組合との争議を教訓に、経営陣は会社の体質改善、経営近代化の施策を実施
具体的には岩田屋時報の創刊、人事部門の独立と所属課の整備充実、臨時職員の本職員登用、提案制度の開始、職員食堂委員会設置、経営診断など
高すぎる要求やストライキの実行といった全岩田屋労働組合の過激な活動方針に反対する従業員が新たに組合を結成、これが現在の労働組合につながっている
全社員より様々な提案を募集し、検討・実施する仕組みをつくった
採用された案件には褒賞を与え、社内報で発表したり、不採用でも着想がよく、努力が認められたものには努力賞を与えたりなど、従業員のモチベーションを向上させた
1年後には提案者101名(男61名、女40名)、提案件数249件、採用件数65件となっている
当時まだ世間に発表されていない最新鋭の機種であり、岩田屋が納品1号となった
岩田屋と西鉄の共同出資により「インテリアの総合ショップ」として設立、開店
個性的、独創的な家具・什器等生活用品の開発に努め、根強いファン層を獲得する
また、岩田屋グループ内では消費者の個性化、高級化志向を先取りする戦略企業の第1号でもあった
多様化する商品や流行の商品などの知識を習得し、お客さまの立場に立って相談にのるサービスを開始した
ヤングレディス専門店としてオープン
百貨店とは違い、顧客の対象を絞ってオープン・システムの売場としたことが当時の若者に受け、人気を博した
利益の地域還元として関連企業や地域の人々にも開放し、利用できるようにしていた
全国の大手百貨店に先駆け導入
当初は売上低下などの懸念があったが、心身の疲労回復、自己啓発や生活の充実、生産性を高めることを目的とした
翌1974年7月に関連会社を統合、岩田屋伊勢丹百貨店として再オープンしている
自主的な運営によって地域一番店にふさわしい販売サービスを確立し、お客さまに愛され、信頼される店づくりのために創設した
販売担当だった男女社員の中から常時146名を選出、6カ月の交代制であり、各課で毎月実行するサービス重点項目に沿って具体的な実施項目を作成、所属長の承認後、コンパニオンを中心に従業員全員で実行することでサービス向上に取り組んだ
中牟田喜兵衛・喜一郎は戦前より留学生を自宅で受け入れたり、国際交流団体の役員を務めたりする中、特に交流が深かったタイ王国の名誉領事に就任した
当時は不況・低成長経済期であり、この時代を乗り切るためグループ企業や提携企業の経営情報を一元的に管理・活用していく必要があると判断のもと導入している
その後、さらに総合的にシステムをリンクさせていかなければならないと判断、1983年6月にPOMシステムをスタートしたが、これは当社がNCRと共同開発したもので、全国の業界で初めて導入している
POMシステムとは「発注・仕入管理システム」、つまり「新商品管理システム」のことである
このシステムにより、従来の伝票作成やレジ業務の簡略化につながった
1980年に企業体質の強化や労働条件の改善、売上シェアの向上などを目的とした第1次中期3カ年を策定した
そのうちの1つが「CIS」の導入であり、都心型百貨店として新しい岩田屋のイメージを統一的に創造していくため、「泉」マークをシンボルマークとして採用している
消費者ニーズの多様化や国際化の進展に対応するために、視野が広く、販売員を引っ張っていく中堅リーダーの育成が不可欠とされ、1975年に能力開発制度を創設した
そののち、女性の社会進出に伴い、岩田屋でも販売以外での女子社員の活躍を推進するために創設されたものである
“新しい街、動き出す街”を意味した専門店であり、コンテンポラリーな館として25歳独身の働く女性をイメージターゲットと設定、ファッションやインテリア、食品、ギャラリー、美容などのコーナーを配置している
5月には入館50万人を達成
岩田屋ではこの頃より本格的なエコを意識した様々な活動を開始しており、今日のSDGs活動へとつながっている
愛生は41番目の子会社であり、障がいのある方が自立・社会復帰への一助となることを目的として設立された
包装用原料およびその加工品の製作のほか、付加価値の高い野菜づくりなどを行っている
岩田屋とワコールは店出しにかかる両社の負担軽減のため、JANコードで両社のシステムを結びつける仕組みを開発し、品切れ防止や発注作業等の合理化に成功した
競争激化の中生き残るために買取仕入を行うことにした
これは買取により自らのコントロールを取り戻すこと、自主販売を通してお客様との接点を取り戻すことで真のお客様満足に繋げることを目的としている
天神地下街から現パルコ本館につながる水の階段に河童が登場、現在に至る
なお、第9回福岡市都市景観賞を受賞している
今までの経営理念では時代に対応できなくなるため、新ビジョンを策定した
策定にあたっては全社員の意見を反映させている
このビジョンでは、進取の精神、独立自尊の気風、地域社会と地域文化への貢献、国際性、リスクを恐れず利益を追求する姿勢を表現している
ハートビル法とは、バリアフリーを促進する法律であり、多くの方が安心して利用できる店舗づくりを行った
なお「Z-SIDE」とはコピーライターの中畑貴志さんにより「A-sideとは差別化されていながらも相関関係にあるもの、前進的なイメージをもつもの」として命名されたものである
西鉄福岡駅工事に伴う入店客数の減少や個人消費の低迷などにより苦境に立たされた岩田屋は本新館を売却、Z-SIDEをはじめとする新たな本新館で再スタートを図る
全ての計画・行動・考え方の中心にお客様を据えた「お客様第一主義」を実行し、10月にはこれを表現したビジョン(「お客さまの喜びを、私たちの喜びとします」)に改定している
そして基本方針・ビジョン・企業行動の基準・私たちの心構えから成り立つ「岩田屋経営理念」が制定された
これは社是である創業精神を受けて、時代の変化に合わせ体系的に整理し、成文化したものである
カクイワマークを社章として引き続き使用しながらも、新しい都市型百貨店を目指す岩田屋を表現するため新しいロゴマーク「IWATAYA」とした
2000年に出店表明をしていた新店舗についてはZ-SIDEと併せて1つの店舗とみなし、施設・サービスの共有を考えた店舗計画を進めた
コンセプトは「魅力・卓越・百貨店」、スローガンは「毎日、生まれ変わろう。ファッションの岩田屋」である
食品のリサイクル率向上を目的に岩田屋本店で生ごみを回収するBOXを設置、約200kg/日リサイクルしている(2022年10月現在)
一般ごみのほとんどをRPFという固形燃料にリサイクルする取組を開始した
SCへの出店はサロンの新たな成長戦略のトライアルと位置づけられ、その後も2016年までに4店舗開店している
農作物の育成や収穫を通して従業員が主体的に地域の現状や社会課題を知ることを目的としてスタートした
棚田でのコメ作りのほか、お茶や栗の栽培、福岡三越屋上での養蜂に取り組んでおり、収穫した農作物は、商品として店頭で販売している
商品の販売時にはその体験をお客さまにお伝えすることで、農業を中心とした環境問題への関心が高まるきっかけとなっている
細谷敏幸社長が就任し、「高感度上質戦略」と「構造改革」をスタートさせた
館の磨き上げや上位のお客さまに対するサービス強化などによる“憧れられる百貨店づくり”をはじめビジネスモデルの大きな転換を進める
不要不急の外出を控える動きが広がったことで、社会ではますますデジタル化が加速した
お客さまとのコミュニケーション方法の変化に伴い、岩田屋三越でもデジタルメディア発信のための社内スタジオ開設、外商セールス全員が対象顧客とつながるLINE WORKSの導入など体制を整え、お客さまとの関係性を深化させる取組を行った
働き方改革として、年間所定労働時間を99時間削減、および年間休日数を2日増やすことによって、社員のモチベーションや生産性向上につながっている
伊倉秀彦社長が就任、これまでの戦略を受け継ぎつつさらに深化させるべく2022年度~2024年度の新中期経営計画(高感度上質戦略・個客とつながる戦略・構造改革の深化)を策定している
婦人服フロアに婦人・紳士・リビング用品を同時展開するコンバインショップや現代アートが出店することで新たな需要の創出につながっている
【参考文献・サイト】