〈カルティエ〉はフランスで1847年に創業して以来、王侯貴族や社交界で輝くセレブリティたちから信頼を勝ち得るハイジュエラーとして名を馳せてきました。その輝かしい歴史は、腕利きの宝石細工師だったルイ=フランソワ・カルティエがパリの街角に工房を構えたことから始まります。王侯貴族や社交界のセレブリティたちから愛され、至高ともいうべきジュエリーがいつの時代も人々を魅了してやみません。その美意識の高まりは宝飾業界だけでなく、革製品や筆記用具など幅広い分野に拡大しました。そして時を告げる機械だった腕時計も、自己表現するアイテムへと塗り替えたのです。「フライト中に時刻を確認したい」という著名な飛行家のアルベルト・サントス=デュモンから相談を受けた3代目ルイ・カルティエは、懐中時計を腕に巻くというアイデアを基にした『サントス』を1904年に開発。これは腕に着けることを前提にデザインした、初のモダンウォッチとして伝説になっています。これまで「腕時計の美」の最先端を走ってきた〈カルティエ〉は、長きにわたってケースづくりを担ってきました。しかし、その無限の探求心がデザイン分野のみに留まるはずもなく、満を持してムーブメントの設計へと進出。ウォッチ製品の多くは機構部であるムーブメントとそれを包むケース部分を別の会社が製造していますが、現在では時計製造の全工程を自社で完結できる数少ない真のマニュファクチュールの一つに数えられています。実用性と美観を兼ね備えた「腕時計」という新たなジャンルを開拓した〈カルティエ〉の功績は大きく、腕時計の歴史を語るうえで欠かせないウォッチメゾンです。
ラウンド型のケースとスクエア型のミニッツトラックを文字盤に配した、大胆でグラフィカルなシグネチャーを取り入れたコレクション。そのルーツは1943年にまで遡り、モロッコ・マラケシュの太守からの依頼で製作した水泳用の防水時計なのだそう。それゆえ『パシャ』の名は、「太守」という単語に由来しています。1985年にファーストモデルがデビューし、昨年発表された新作はジュエリーウォッチからスケルトンまで多彩ですが、オリジナルに忠実な基本デザインは「カルティエの美」の普遍性を感じさせます。そして、細部はよりモダンかつラグジュアリーにブラッシュアップ。サファイアクリスタルの裏蓋越しに視認できる進化したムーブメント、カボションカットのブルースピネルまたはサファイアを施したカバー付きリューズなどが目を引きます。さらにスティール製ブレスレットやアリゲーターレザー製ストラップにワンプッシュで付け替えられるインターチェンジャブル仕様です。一部を除き2種ずつ用意され、シーンに応じたコーディネートが楽しめます。
1943年、『パシャ』コレクションの原型となるラウンドケースの防水ウォッチが誕生します。その後、1985年に発売が開始された『パシャ ドゥ カルティエ』は、瞬く間にメゾンのベストセラーウォッチとなりました。ラウンド型の防水ケース、4つのアラビア数字、ミニチェーンでケースに固定したねじ込み式リューズカバー、剣型針。個性的なデザインがエレガンスと力強さを演出します。また、「クイックスイッチ」システムによりブレスレット・ストラップの交換がワンタッチで可能。装いに合わせて、色々なバリエーションをお楽しみいただけます。《カルティエ》らしいデザインを継承しながらも、個性が感じられるウォッチです。
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