美術
「墨象」という新しいジャンルを切り拓き、世界のアートシーンに影響を与えた孤高の美術家、篠田桃紅氏が今年3月1日にお亡くなりになりました。(享年107歳)
桃の節句の3月のお生まれから、お父様が桃に紅で「桃紅」という雅号をおつけになりました。「桃紅」は中国の禅林句集に由来します。『桃は紅、季は白、薔薇は紫、それはどうしてなんでしょう?と春風に聞いてみても 知らないと言う。』禅者があるべき無心の境地を、個性のままに美しく咲く花になぞらえた言葉です。 中国・大連に生まれ、幼い頃から書を学び、戦後に書家として活動を始める一方、水墨による抽象絵画をはじめ、1956年に渡米。米国各地で個展を開き、東洋の伝統と抽象絵画を融合した作風が高く評価され時の人となりました。水墨に金銀や朱を交え、幽玄さと鋭い造形感覚を併せ持つ作品は、メトロポリタン美術館やボストン美術館をはじめ、国内外の美術館に収蔵されています。また皇居・御所、京都迎賓館には絵画作品があり、在外公館・劇場などには壁画や緞帳、また増上寺には、代表作の壁画や襖絵などがあります。名文家でも知られ、1979年に随筆集「墨いろ」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。著書「一〇三歳になってわかったこと」は幅広い年代の女性に支持され、ベストセラーになりました。
「私の命は有限ですが、作品は永遠です。」「言葉ではなく作品から何が伝わるかが重要です。」と常に語っていた桃紅先生。死の直前まで「もっといいものを創りたい。」と真摯に向き合って来られた桃紅先生の描く一本一本の線を心ゆくまでご高覧頂ければ幸いです。
『巡』
銀地に墨・金泥・銀泥・胡粉
150×100㎝
1,980,000円(税込)
『悟り-Enlightenment』
銀地に朱・銀泥
50×35㎝
6,600,000円(税込)
『音』
和紙に墨・銀泥
45×30㎝
2,750,000円(税込)
『夢想』
金地に墨・銀泥・緑青
60×40㎝
5,500,000円(税込)
『あさきゆめみし』
画仙紙に墨
53×43.5㎝
2,750,000円(税込)
伊勢物語より『君や来し我や行きけむ』
料紙に墨
26.5×19.5㎝
1,650,000円(税込)
『風』
画仙紙に墨
40.5×42.5㎝
2,750,000円(税込)
万葉集より 柿本人麻呂『わがふるそでを いもみつらんか』
和紙に墨
48.5×63.5㎝
3,300,000円(税込)
『相』
リトグラフに手彩色
38×28㎝
495,000円(税込)
『EPICAL』
リトグラフに手彩色
72×53㎝
770,000円(税込)
『Profound』
リトグラフに手彩色
53×71㎝
770,000円(税込)
『Lyrical C』
リトグラフに手彩色
38×28㎝
495,000円(税込)
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