「水引で絵描く」をテーマに、自身の出身地である長野県飯田市の伝統素材「水引」を日本の呪術的な紐と捉え、独自の貼り水引技法により美術作品を制作しています。古来より水引は、日本人の生活、季節の節目で使用されると共に、異世界との境界線の意味も持ち合わせています。時間や空間など知覚的に存在するものと、認知できないものとの狭間の領域に関心があり、その境界領域をイメージし表現することを水引で試みています。異世界との境界線の装飾として使われてきた水引を再解釈し新しい世界を可視化・出現させています。

仲田 慎吾