
GOURMET
2021.10.6UP
1847年に創業した、日本唯一の金平糖専門店。古来、皇室での引出物とされている金平糖。金平糖一筋にその「技」を守り続ける名店の味。
ポルトガルから南蛮菓子として伝来した金平糖。初代の清水仙吉が京都・百万遍の地に暖簾をあげたことから、その歴史が始まりました。〈緑寿庵清水〉の金平糖作りは、核となる約0.5mmのイラ粉に、蜜を掛けては乾燥させる工程を繰り返し行います。しかし、大きくなるのは1日にわずか1mm足らず。素材を加えた味のある金平糖は、1種類16日以上の長い時をかけて、ようやく完成します。さらに、決まった製法がなく、天候や湿度、温度などに応じて、蜜の濃度や釜の角度、回転速度などを調整。「蜜かけ10年、コテ入れ10年」、変化する金平糖の状態を見極めながら、五感を使い、20年もの時間をかけて技術を体得することで、美しい星形を仕上げることができます。
創業当時の外観。
金平糖ができるまでの工程。
夏場には50度以上にもなる工房で、日々金平糖作りに精進している。
初代と2代目が作り出していたのは、色と形を楽しむ砂糖味の金平糖でした。3代目で「抹茶」や「ニッキ」を4代目と創製。そこから4代目は「より一層、お客さまに喜んでいただける金平糖を作り出したい」という想いが増し、試行錯誤を重ね、今までにない「素材の味がする金平糖」に挑戦。酸や塩分・油分を含む果物や乳製品などの素材を加え、結晶化させることを可能にし、お菓子作りの常識を覆しました。現在は5代目が中心となり、素材を核にした「角平糖」や、「シャンパン」「苺ミルク」など、既成概念にとらわれない新しい技と金平糖を生み出しています。2013年、全国菓子大博覧会・広島で、名誉総裁賞(芸術部門)を受賞。
趣向を凝らした、風雅な高級風趣献上品「上煌(じょうこう)」
全国菓子大博覧会・広島で授与された褒賞状。
古来、皇室で引出物とされていた金平糖。それは、これからご結婚され愛情を注ぎ育てられるお二人の姿が、丹精込めて育てられる〈緑寿庵清水〉の製法と似ているから。職人が長年培った経験と熟練の技により進化を遂げてきた金平糖は、冷やさないと固まらないチョコレートやキャラメル、熱を加えるとアルコールが飛んでしまうワインや日本酒などを、卓越した技術で仕上げる「究極の金平糖」シリーズや、日本の四季が楽しめる「桜の金平糖」「空中すいかの金平糖」「焼栗の金平糖」などの季節限定品、定番の金平糖などを含めると90種類以上にも。初代から受け継がれてきた「本物の味、色、形」。そして、〈緑寿庵清水〉の金平糖の真髄を追求しながら、皆さまに長く、広く愛される金平糖作りに励んでいます。
究極のヴォーヌ・ロマネ ヴァン・ルージュ(赤ワイン)の金平糖。
現在の緑寿庵清水・京都本店の外観
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