加納 典明
1942年愛知県生まれ。名古屋市立工芸高等学校産業美術科卒。小川藤一氏、杵島隆氏に師事。独立後はフリーの写真家としてファッション・広告業界などで活躍。64年、アサヒカメラに掲載した「テオ」を始め、「平凡パンチ」のグラビアページを主な活動の場としてヌード作品を次々発表。69年、「平凡パンチ」のニューヨーク特集 の為渡米、当時のユースカルチャーを撮影。この時代を体現したパフォーマーらが集うオージー・パーティーを激写したシリーズ「FUCK」により、一躍脚光を浴びる。「月刊 THE TENMEI」(93〜95年)は70万部の大ヒットとなり、過激なヌード表現で物議を醸す。以後、数々の重要な写真と絵画を発表、またテレビ、映画など様々な分野で活動した加納典明は、戦後日本マスメディアの変遷に大きく貢献した写真家である。現在は、「ピンクの犬」をモチーフに、写真と絵画を融合させた新たな表現も行っている。
FUCK C 002
技法インクジェットプリント
サイズ81.5×120.0
FUCK C 005
技法インクジェットプリント
サイズ120.0×82.5
FUCK M 022
技法ゼラチンシルバープリント
サイズ27.9×35.5
1969年の夏、加納典明は雑誌「平凡パンチ」の依頼でニューヨークを訪れ、そこで草間彌生によるオージー・パーティーを撮影した。パーティには彼女のパフォーマーたちが集められ、中にはアンディ・ウォーホルのThe Factoryのパフォーマーもいた。目の前で繰り広げられたパフォーマンスを、その時代に加納が初めて作品に応用した赤外線フィルム作品とモノクロ作品に撮り出したシリーズ。
2013 軽井沢
技法アクリル
サイズ65.2×91.0
制作2013
2013 東京
技法アクリル
サイズ91.0×65.2
制作2013
2015 NY
技法アクリル
サイズ60.6×80.3
制作2015
加納典明が自ら足を運び撮りためてきた写真をキャンバスに印画し、アクリル絵の具で加筆したシリーズ。加納は、独特のインパクトを持つ過激な作風の写真家として知られているが、2010年頃から写真家としての活動と並行して絵画作品の制作をはじめた。自身の過去の写真をキャンバスに印画し、そこに描きこまれた「ピンクの犬」は、写真と絵画の垣根を超えた表現を探究する作家自身を象徴しているかのようにも感じられる。
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